両親は既に日本で働いていて、そのお子さんが日本で生まれた場合、そのお子さんにとっては、言葉も日本語しか話せないということが多く、教育も日本で受けているため、ご自身では外国籍であるという認識がほとんどないと思います。
数年前に担当した方も、日系ブラジル人の方でしたが、自分は日本で生まれたし、通称名で暮らしていたので、自分は本当に日本人だろうと思っていたとのこと。彼は出生してすぐ永住者をもらえていましたし、VISAの手続きに困ることもなかったと思います。ただ、大きくなって、時々ブラジルの領事館にパスポートの更新にいくことに疑問を感じていたとのこと。当然ポルトガル語も分からないし、ブラジルには赤ちゃんの頃いったきりだといいます。
そして、社会人になるときに、国籍の壁を感じたそうです。仕事が見つかりにくいそうです。就職の際に差別もあったそうです。実際そういう思いをしなければそのお気持ちは分からないだろうと思いますが・・
その彼は、就労の部分でちょっと苦労しましたが、帰化をすることができました。生まれたときの証明も、ご両親の本国の書類も、地球の裏側なので時間はかかりましたが、とることができました。
また、以前、米軍基地で生まれて、その後、お父さんが退役するので、米軍を出ることになり、日本で暮らすため在留資格をとって、暮らしているお子さんと知り合い、サポートさせていただいたことがあります。このときも、生まれたのは日本(の米軍基地)。でも、出生届けは日本の区役所には届け出はない(基地内はアメリカだから)
このお子さんが生まれたときの証明書を得る手続きは結構大変で、英語ができないそのお子さんとともに、アメリカ大使館にいって、国外で生まれた証明書をアメリカに依頼し、アメリカから発行してもらった等の経緯がありました。本国で生まれた証明書も、本国に親戚がいる等で頼むことができればいいのですが、それができない方もいます。出生証明書なしで、申述等で判断してもらった方も担当させていただいたことがあります。50年も前に某国で生まれた方の証明書は登録されていないのか結局発行されずだったのですが、でも、パスポートはお持ちでした。聞くところによると、パスポート発行には、学校の卒業証明書等で代用されたようです。国によっては学校の卒業証明書には、成績等以外にも、両親のデータが載っていたりもするので、それで父子関係等をみとめてパスポートを出したとのこと。
あとはアジアで郵便事情がめちゃくちゃで、待っても待っても届かないということもありました。苦労した方のことばかり思い出してしまいますが、日本以外の国のシステムは、本当にいろいろです。