現在、戸籍をとると、ほぼすべての市区町村でコンピュータ化されています。
コンピューター化以前の戸籍は「改製原(かいせいげん)戸籍」と呼ばれています。
(除籍とは異なります)
コンピュータ化後の戸籍は、死亡や婚姻のために除籍された方については記載されません。
たとえば、父母の戸籍をとってみると、コンピューター化前に嫁いだ長女はそもそも戸籍に記載がないけれど、コンピューター化後に嫁いだ二女については「除籍」と記載があるようなことが生じます。コンピューター化された戸籍を見たときに衝撃だったことを思い出します。
以前の縦書きの戸籍謄本であれば、バツがなされて、メンバーではなくなったことが分かるのですが、コンピューター化戸籍はいろいろ盲点があるので、必ず、改正原戸籍をとって、家族や身分行為が漏れていないか確認する必要があります。
【コンピュータ化前の身分事項を記載(移記)していないもの】
例えば、コンピュータ化後の養親の戸籍には、コンピューター化以前の養子縁組届の身分事項が記載(移記)されません。養子の戸籍には記載されます。
たとえば認知に関する事項も、父は認知をした事項は移記されませんが、子は記載されます。(養子縁組と同様です)
問題は子が外国籍で戸籍がない場合です。
親側の戸籍に身分事項が移記されず、子に戸籍がないとすると、コンピューター化後の戸籍からはまったく身分事項がわからなくなります。
この記録を必要とする場合には、「改製原戸籍謄本」を請求しなければ親子関係がわからないようになってしまい、非常に不都合だな、と感じます。
現在はもう効力がないのでは、という不安になりますし、他の役所の方たちもすぐ理解してくれるわけではありません。
だいぶ見慣れてきたコンピューター化戸籍ですが、わたしは昔のブック式の縦書き戸籍の方が好きです。たまに達筆すぎる昔の方の字をみて悩むこともありますが、大事な身分行為や大事な家族のメンバーが載ってこない、というのは改善してほしいなと思ったりします。